教育動向

【英語の授業は英語で】中学校の英語教育はどう変わる?

中学生パパ
中学生パパ
中学の英語の授業も難しくなるってホント?

本当です。小学校の英語教育と同様、中学・高校の英語教育も大きく変わろうとしています。

【いよいよ2020年から】小学校の英語教育、結局どう変わるの?小学校の英語教育が変わるというニュースや新聞を度々目にすることが増えてきました。 実は、2020年から小学校は新しい学習指導要領に...

今回は中学の英語が新学習指導要領によってどう変わるかご案内します。

英語はあくまでツール!学ぶだけでなく使えるように

ざっくり言うと、学校の英語教育は「英語を学ぶ」から、「英語を用いて何ができるようになるか」という時代になります。

英語はあくまでコミュニケーションツールです。

なので、英語だけ出来ても「英語で話す内容」が無ければ意味が無いのです。

例えば、以前イギリス人の同僚がペットボトルのお茶のラベルを見て、こんなことを聞いてきました。

イギリス人講師
イギリス人講師
ここに書いてあるUmamiって何?
ニコ
ニコ
あー…あの…味覚のうちの一つ、みたいな感じ?

(*英語で会話をしています。)

「うまみって何?」と聞かれてパッと答えられますか?皆さん。そもそも旨味って日常生活で感じますか。

その後も「意味わかんないわ」という顔をしていた同僚に、「しょっぱいとか、甘い、とかあるじゃん~。それのうちの一つで、美味しいと思った時に感じる」とか頑張って説明しましたが、「カップ焼きそば食べてもうまいと思うから旨味がわからん」とのこと。

このように、英語が話せても意味が無いな、と思うことは多々あります。

辞典やWikipediaが一番偉いと思っている人は少ないでしょう。

自分の経験、感情、意見を自分の言葉で伝えることが何より重要なのです。

それでは、「英語を学ぶ」→「英語を使って何ができるようになるか」という新方針で、中高の英語の授業がどのように変わっていくのか見てみましょう。

中学校の英語の授業は英語で行う

にわかに信じがたいですが、2021年から中学校の英語の授業は英語で行われることが基本になります。

最初から完全に、ではないですが、徐々に英語の量が増えていくようです。

中学生パパ
中学生パパ
えぇ!?中学生の時、英語を話すのが恥ずかしかったなあ。
ニコ
ニコ
私もです。”Apple”とか、何が何でも「アップル」と発音していました。

私が中学生だった頃は、英語をスラスラ話したり、発音良く言うことは何となく恥ずかしいことだったと思います。

しかしオールイングリッシュの授業になれば、それも払拭されるでしょう。

むしろ、英語を習う子供が増えてきているので、英語を話せない方が恥ずかしい、という風潮に変わるかもしれません。

オールイングリッシュの授業は賛否両論ですが、私は賛成です。

なぜなら、英語を英語で考えるようになるからです。

これは英会話スクールに通う大人の生徒さんに多いのですが、「~を英語で言うと何て言う?」と聞いてくる人が多いです。

言いたいことを日本語で考えてから、それを英語に直そうとします。

例)「よろしくお願いします」を英語で言うと何て言う?

そもそも「よろしくお願いします」は直訳できる英語は無いですし、シチュエーションによります。なのでこの質問の適当な解はありません。

つまり、言いたいことを日本語で考えて、それを英語に訳そうとすると失敗します。

違う言語なので、「この日本語の単語=この英語の単語」という風に完全には結びつきません。

辞書で英単語を調べて、意味が何通りも出てきて苦労したことはありませんか?

単語やフレーズに縛られると結局言いたいことが言えないので、場面や感情を英語でイメージすることが重要です。

「よろしくお願いします」って英語で何て言えばいい?→適当な解なし。

新しいチームで一緒に仕事をする時、「よろしくお願いします」と言いたいんだけど何て言えばいい?→「I’m looking forward to working with you.」

このように、日本語から英語を思考するのではなく、英語で場面や感情を考えることが、英語を話せるようになるカギなのです。

その、英語を英語で考えるということは、正直今までの英語教育では達成されませんでした。

日本人は中学・高校で計6年間英語を勉強しますが、それでも英語を話せるようになった日本人は少ないですよね。

なぜなら、今までの英語の授業は文法中心の講義式授業だったからです。

文法や単語を覚えて「読む」能力、CDを聞いて「聞く」能力、は身に着けました。しかし、「話す」能力と「書く」能力はどうでしょう?

今までの英語教育では英語を話せるようになったり、自分の意見や感想を書けるようになった人は少ないはずです。

今までは「読む」「聞く」能力だけで大学受験も受かる時代でした。センター試験はリーディングとリスニングだけでしたよね。

(*国公立の二次試験は文章を「書く」試験もあります。)

しかし、これからは「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能が評価される時代になります。

この中で日本人が一番苦手なのは「話す」能力でしょう。

文法、語彙や単語を覚えるだけではなく、言葉の裏に隠れた感情や考えを読み取ることが重要です。

つまり「英語を勉強する」というよりも「コミュニケーションを学ぶ」。頭に浮かんだ考えやイメージを言葉にすることが重要です。

辞書や教科書で単語を学ぶ時、イメージや場面を思い浮かべますよね。

実際に、そういった場面やイメージの時に初めてその単語を使うことができるようになります。

オールイングリッシュの授業の方が教科書の単語に集中せず、場面や感覚で英語を学べるので格段に英会話力が上がります。

言葉はイメージや感覚に結びついているのを忘れてはいけません。

では次に、中学生の英語の授業内容が具体的にどのように変わるか見ていきましょう。

中学校の目標 思考力・判断力・表現力を身に着ける

新学習指導要領の中学の英語授業の目標は、「身近な事柄を中心に、コミュニケーションを図ることができる能力を養う」ことです。

↓がこれからの目標の具体例です。

短い新聞記事を読んだり、テレビのニュースを見たりして、その概要を伝えることができる。CEFR A1~A2程度(英検3級~準2級程度等)

グローバル化に適応した英語教育改革実施計画より引用

【30秒でわかる】CEFRってなに?CEFR(セファール)とは、ヨーロッパを中心に使われている外国語学習者の言語能力を測る「ものさし」です。 レベルは下から、A1、A...
中学生パパ
中学生パパ
うわあ、僕でも難しいよ。ニュースでトランプ大統領が言ってる事サッパリだよ。

ニュースを理解するだけでなく、それを自身の言葉で要約するわけですから、仕事で英語を使う大人でも難しいかもしれません。私が大学1年の時に授業でやったレベルです。

今までの英語授業の目標は「コミュニケーション能力の基礎を養う」でした。

↓が今までの目標の具体例です。

ある程度の長さの物語を読んで、登場人物の行動や話の流れなど、あらすじを読み取ったり、その内容を簡単な言葉で伝えたりすることができる。CEFR A1程度(英検3級程度等)グローバル化に対応した英語教育改革実施計画より引用

全然違いますよね。新しい英語教育では内容がより実用的になっていくことがわかります。

さらに中学3年間で習う英単語量も増えます。

現在 1200語
新学習指導要領 1600~1800語

現行の高校3年間で習う英単語が1800語です。

新学習指導要領によって学ぶ量も一気に増えることがわかりますね。

中学生パパ
中学生パパ
でもさ、こんなに英語の授業が難しくなるのに英語の先生は大丈夫なの?
ニコ
ニコ
最初は先生方も苦労されるでしょう。

しかし、CEFR B2レベル(英検準1級)のスコアを取得している英語教師の割合は増加傾向にあります。

文科省の調査によると、平成30年の結果では、英語担当教師のうち36.2%が英検準1級程度以上を取得しています。

まだ十分な数字とは言えませんが、これが第二期教育振興基本計画では、50%を目標としているとのことで、中学の英語教師も努力しているのが見受けられます。

・「英語を学ぶ」→「英語を使って何ができるようになるか」の時代へ。

・2021年から中学の英語の授業は英語で行われる。

・オールイングリッシュの授業によって、日本語で考えた文を英語に訳すのではなく、英語で場面や感情を考えるようになるので、英語でのコミュニケーション力が上がる。

・中学3年間で習う単語量「1200語→1600~1800語」。

・中学の英語担当教師の英検準1級程度のスコアは年々上昇していて、H30年の結果では36.2%。