教育動向

【大学入試英語成績提供システム延期】大学側や企業側の対応はどうなる

2021年から導入されるはずだった英語民間試験導入の延期によって、困るのは高校生だけではありません。

英語の民間試験の成績を利用するはずだった大学側、大勢の高校生が受けるはずだった英検やG-TECなどの英語民間試験実施団体も、早急に対応しなければなりません。

大学側 英語民間試験導入の延期で入試の設計の練り直しに

大学側は民間試験の導入が前提だったので、入試の制度設計はすでに終了していました。

しかし、現在、導入延期となった以上、再度設計する必要があります。

各大学の英語入試がどうなるか大学側も練り直さなければいけないですし、受験生も情報収集しなければいけなくなってしまいました。

国公立大学は2次試験、私立大学は一般入試で、それぞれ、独自試験があります。

共通テスト・英語民間試験の導入によって、国公立大学・私立大学とも、英語入試を従来のものから、変更する大学が多くありました。

10月25日の文部科学省発表では、大学・短大合わせて629校、全体の58.9%が利用を表明しています。

その中には首都大学東京や上智大学などのように、英語の個別入試を廃止する大学もありました。それから、一般入試を実施したうえで英語民間試験の成績を加点評価する入試方式の大学もあります。

そもそも、英語民間試験の成績は一度、大学入試センターが受験生から情報を集め、それを各大学に提供するシステム(大学入試英語成績提供システム)を運営予定でした。

利用延期に伴い、このシステムも当然ながら延期となります。

そうなると、各大学は民間試験の成績を受験生から個別に提供してもらうことになります。

全面的に利用予定だった多くの大学は、大学側で受験生の個々の成績を個別に見て、合否に反映できるように対応しなければなりません。

民間試験実施団体・企業はどうなる

すでに日本英語検定協会による「英検2020 1 day S-CBT」については来年度実施分についての申し込みが始まっていました。

当初はキャンセルを認めない、との姿勢でしたが、9月に入り、「会場がどこか、見通しもないのに予約させるのか」との批判が殺到。11月5日~11日に返金申し込み期間を設けるようになっていました。

これが、今回の導入延期によって、こちらも延期。

先般、本日11月1日9時半からの萩生田文部科学大臣の英語民間試験活用の延期発表を受けまして、当初、来週11月5日(火)から11月11日(月)に予定しておりました、「S-CBT」の返金申込受付期間につきましては一旦延期とさせていただきます。

(日本英語検定協会サイトより)

返金期間が延期になるにせよ、いずれは受け付ける見込みであり、これによって、受験生が不利益になることはないでしょう。

問題はこの日本英語検定協会を含む、民間試験の実施団体・企業です。

すでに来年の試験実施にあたり、大量の受験者数増加を見込んだうえで試験会場を手配しています。

それが実施延期となった以上、受験生はどう動くでしょうか。どう考えても、民間試験受験をする受験生より、回避する受験生の方が多いに決まっています。

そうなると、確保した会場をキャンセルする必要が実施団体・企業には出てくるのが自然です。会場だけでなく、試験監督などの人員も不要ということになります。

そうしたキャンセル料などを含む補償はどうなるのでしょうか?

今のところ、文部科学省から補償に関連する方針は示されていません。

このまま、特に補償をしない、となると、実施団体・企業は大きな損失を被ることになります。

まとめ

大学側の入試制度が変更になったり、英検などの企業側の動向がどうなるかなど、教員や受験生はしっかり情報を追わなければなりません。

スタート前からごちゃごちゃの新制度ですが、行きたい大学に行けるようしっかり情報をチェックしましょう。